「段ボールの製造現場って、そんなに大変じゃなさそう」
そんな軽い気持ちで始めたのが間違いでした。
単純作業、力仕事、工場勤務…どれも「なんとなく大変そう」くらいの認識でしたが、実際に働いてみると想像の10倍はしんどい。今回は、私が体験した段ボール工場の現場のリアルな日常を、正直にお伝えします。
最初の印象は「単純作業」だった…でもそれは大間違いだった
段ボール工場の仕事と聞いて、最初にイメージしたのは「同じ作業の繰り返しで楽そう」というものでした。確かに、やること自体は難しくありません。段ボールを機械に通し、折り、積む。パターンはほぼ決まっています。
ですが、作業スピードが異常。ラインは常に動いており、1秒の遅れが全体に影響を与えることも。
少しでも迷ったり手間取ったりすると、後ろにズレが生まれ、「何やってんだよ!」という圧が飛んできます。単純だけど、正確さとスピードが命。想像以上に神経を使う仕事でした。
とにかく体力勝負!重労働と暑さ・寒さのダブルパンチ
段ボールって、1枚だと軽いけど、束になるとかなり重くなります。1束20kg前後を、ひたすら持って積み上げる作業が続きます。
しかも、工場内には冷暖房が一切ありません。
夏場は室温が40度近くまで上がり、立っているだけで汗が噴き出すほど。冬は足元から冷え、手がかじかむほどの寒さの中で作業を続けます。
風通しも悪く、まるで蒸し風呂や冷蔵庫の中で働いているような感覚でした。
体力的な負担はもちろん、「この環境でずっと続けていけるのか…」という不安感に襲われる毎日でした。
休憩はゼロ…ぶっ通しで作業し続ける現実
他の工場では午前や午後に短い休憩があると聞きますが、私が働いていた段ボール工場では一切の休憩がありませんでした。
休めるのは昼の昼食時間のみ。朝から夕方まで、ぶっ通しで立ちっぱなし・動きっぱなしです。
トイレに行くタイミングすら自分では選べず、作業ラインの都合に合わせる必要があります。
それが原因で水分補給を控える人もいるほどでした。
「こんな環境で事故が起きないほうが不思議だ」と感じるほど、心も体も休まる瞬間がない労働環境です。
人間関係もピリピリ…無言のルールと暗黙のプレッシャー
段ボール工場は、年配のベテラン作業員が多く、派遣や若手バイトはどうしても“下”の扱いになります。
言葉が交わされることは少なくても、目で圧をかけられる、作業が遅れると嫌味を言われるなど、独特の上下関係がありました。
また、誰がリーダーかを察し、空気を読んで動かないと「協調性がない」と見なされて居づらくなります。
明文化されていないルールが多く、慣れるまでは気疲れの連続でした。
それでも得られたこと|工場勤務で感じた意外なメリット
正直、辛いことばかりでしたが、振り返ってみると得たものもあります。
まずは体力と持久力がついたこと。毎日ヘトヘトになるまで動いたことで、以前よりも健康になりました。
また、どんなに単純に見える作業にも効率化の余地があることを知り、考えながら動く癖がついたのも良かった点です。
そして何より、今後仕事を選ぶ際に**「自分に向いているかどうか」を見極める感覚が身についた**ことが大きいです。
まとめ:「合う人には合う」けど、私はもう戻れない
段ボール工場での仕事は、確かに「誰でもできる」かもしれません。でも、「誰でも続けられる」わけではないと思います。
体力的にも精神的にも、かなりハードな環境です。
ただ、あの地獄のような日々を経験したからこそ、他の仕事のありがたみや、自分の適性を知ることができました。
もしあなたが工場勤務を考えているなら、この記事が一つの判断材料になれば嬉しいです。